学校の視力検査では「A判定」。
眼科でも「視力は問題ありません」と言われた。

それなのに、

「音読で行を飛ばすことがある」
「文章を読むとすぐに疲れてしまう」
「黒板をノートに写すのが遅い」
「漢字を覚えるのが苦手」
「文字の大きさや形が整わない」

そんなお子さんはいませんか?

実は、学校の視力検査で調べている「視力」は、私たちが普段使っている「見る力」の一部分です。

「視力」と「見る力」は同じではありません

視力検査では、主に「どのくらい小さなものまで見分けられるか」を調べています。

もちろん視力はとても大切です。
近視や遠視、乱視などがあり、ものがぼやけて見えている場合には、まずメガネなどで見やすい状態をつくることが大切です。

しかし、学校で本を読んだり、黒板を見たり、文字を書いたりするためには、視力以外にもさまざまな「見る力」が必要になります。

たとえば、

・文章に沿って目をスムーズに動かす
・黒板とノートの間で素早く視線を移動する
・近くを見るときにピントを合わせる
・左右の目を一緒に使う
・見た形や位置、向きを正しく理解する
・見たものを覚える
・見た情報に合わせて手を動かす

こうしたいくつもの働きが組み合わさって、私たちは「見る」ということをしています。

学習では「入力 → 情報処理 → 出力」が行われています

当店では、子どもの「見る力」を大きく3つに分けて考えています。

① 入力 ― 正しく見る

まず、必要な情報を目から取り入れます。

視力だけでなく、眼球運動(pursuit・saccade)、ピント合わせ(accommodation)、左右の目のチームワーク(binocular vision)などが関係します。

文章を読むときに行を飛ばしたり、黒板とノートを何度も見直したりする場合には、この「入力」の段階に苦手さが隠れていることがあります。

② 情報処理 ― 見たものを理解する

目から入ってきた情報を、脳で整理して理解します。

形の違いを見分ける、位置や方向を理解する、たくさんの中から必要なものを見つける、見たものを覚える、といった力です。

視力が良くても、この部分に苦手さがあると、似ている漢字を間違えたり、図形や位置関係を捉えることが難しかったりすることがあります。

③ 出力 ― 見た情報を使って行動する

最後は、見て理解した情報を使って、文字を書いたり、線を引いたり、身体を動かしたりします。

「見本を見ながら同じ形を書く」
「黒板を見てノートに写す」
「マスの中に文字を書く」

こうした一見簡単そうな作業にも、「見ること」と「手を動かすこと」の連携が必要です。

苦手さは、一つだけが原因とは限りません

実際には、「眼球運動だけが苦手」「視覚認知だけが苦手」というように、原因が一つとは限りません。

目の動かし方、両目の使い方、見た情報を処理する力、目と手の協応、身体のコントロールなど、小さな苦手さがいくつか重なることで、学校生活の中では大きな困りごととして現れることがあります。

だからこそ、

「視力は良いから、目には問題がない」

だけではなく、

「その子がどのように見て、どのように理解して、どのように身体を使っているのか」

まで見ていくことが大切だと考えています。

「見えていますか?」から「上手に見られていますか?」へ

視力は「見る力」の大切な土台です。

でも、子どもたちが学習や運動で使っている「見る力」は、それだけではありません。

本を読むこと、文字を書くこと、黒板を写すこと、ボールを追いかけること――。

毎日の生活の中では、たくさんの「見る力」が使われています。

「視力はいいのに、どうしてこんなに読むのが大変なんだろう?」

「練習しているのに、どうして文字を書くことが苦手なんだろう?」

そんなときは、「努力が足りない」と考える前に、少し違った角度から「見る力」を考えてみることも大切です。

メガネのいたばでは、視力だけではなく、眼球運動、ピント合わせ、両眼視、視覚情報処理、目と手の協応など、さまざまな角度から子どもの「見る力」を確認しています。

また、ビジョントレーニング教室では、目だけを動かす練習ではなく、身体を使った運動や視覚認知課題なども取り入れながら、「見る・考える・動く」を楽しく経験できるよう取り組んでいきます。